2012年8月31日 (金)

医療学習ノート 近藤誠『がん放置療法のすすめ 患者150人の証言』文春新書

近藤誠『がん放置療法のすすめ 患者150人の証言』文春新書

ガンは治療せずに放置した方が寿命は長くなる。

ガンは早期発見、早期治療をし、再発がなければ根治できる。 この説を全否定する。

ガンには「本物のガン」と「ガンもどき」があり、その違いは、肺、骨、脳などを含む、臓器への転移があるかどうか。

最初のガン幹細胞に「転移する能力」が備わっているかどうかの違い。

ガンと診断されるはるか以前、最初のガン細胞が体に発生した時点で運命が決まっている。

その違いはガンの種類、進行速度によって見分けるしかない。100%確実なことはいえない、

ただし、「本物」でも「もどき」でも勧める治療法は一緒。

治療の必要性があるかどうか。ガンによる症状とQOL(日常生活の質)が下がっているかどうか。下がっていなければ放っておく。

本物の場合でも、抗ガン剤、手術、放射線を使った治療は勧められない。QOLを下げ、寿命を縮めるだけなので。

「ガンもどき」であれば死なない。「本物のガン」であればかかったら最後。

身も蓋もないが。放置、諦め。

そうであれば発見してもいいことはない。検診は必要ない。

「もどき」であれば治療する必要はない。「本物」であれば治療しても意味はない。むしろQOLに悪い影響を与える。

考え方を変え、「ガンとつきあっていく」。闘うのではなく、つきあう。

症状がなくて、自分で健康だと思っている間は、検診は受けない、というのが長寿法。

いろいろやる方が死亡率が高く、寿命も縮まる。治療の副作用と、心理的な負担で。

「よけいなことをしない」☆

※固形ガンのうち、小児がん、子宮絨毛ガン、睾丸腫瘍。急性白血病や悪性リンパ腫のような血液系のガン。これらは抗がん剤で治る可能性がある。

2012年3月31日 (土)

がれき広域受け入れ問題

 最近の政府によるがれき広域受け入れキャンペーンは異常である。
 一方で、うちにはもってくるなというだけの議論もどうかと思う。
 そもそも「広域受け入れ」の対象は全体の2割。1年たっても処理が終わったのは6.7%というのは、一義的に被災地での処理が進んでいないことを示している。その責任を負うべき国が、責任逃れの議論のすり替えを行い、マスコミもそれに無批判にのっているという愚かしい光景が現出している。
 被災地を何カ所か見聞した限りでは、がれきの大半は仮置き場に移されていて、市街地はほとんどは土台だけ残った更地になっている。がれきが復興の妨げの最大要因になっているようには見えない。
 廃棄物処理の利権がらみの問題や、国こそが地元処理の推進を妨害しているということも次第に見えてきている。

 その中でまっとうと思われる意見や動きを紹介する。


■朝日2012年3月16日 がれき拒む社会
西日本に運ぶのは間違い 山内知也さん 神戸大学大学院教授

 すでに放射性物質が拡散してしまった東日本と、幸いにも汚染されなかった西日本では、区別して考える必要があります。
 東京では、岩手と宮城のがれきを受け入れた後も、焼却灰の汚染濃度にあまり変化はありません。これは、東京のごみが被災がれきと同じくらい汚染されているためです。千葉や群馬、茨城などが仮に受け入れても結果は同じでしょう。
 こうした汚染地域では、がれきの受け入れ問題より、身の回りからの被曝を滅らすための除染が大切です。
 私が東京都の公園で空間線量を調べたところ、地表から1メートルの空間放射線量が毎時0・9マイクロシーベルト検出された。局所的な汚染場所を見つけ、除染すべきです。
 西日本では、大阪府が受け入れを検討しているが、わざわざ放射性物質を運んでくるのは間違いです。日本の将来を考えたとき、被曝する人を1人でも滅らし、汚染されていない土地を残すのは重要だと考えます。
 がれきについた放射性物質が微量だとしても燃やすことで濃縮され、汚染灰が出ます。排ガスによる拡散も不安です。焼却施設にはダイオキシン対策のために付けたフィルターがあり、排ガス中の放射性物質をほぼ100%除去できるから、大気中への放出は心配しなくていい、と国は説明します。排ガスの放射性物質濃度が「不検出」との緒果も発表されています。
 しかし、不検出なのは計測時間が短すぎるためです。仮に、国が言うように99・9%以上除去したとしても、完全に放出をとめているわけではない。濃度が小さくても焼却炉のガス排気量は大きいため、相当量の放射性物質が流出する恐れがあります。周辺住民が受ける放射線量は低いかもしれないが、汚染が広がります。
 がれき処理の遅れが、一部の被災地で復興の妨げとなっているのは確かです。仮置き場が満杯のため、半壊家屋が街に残ったままの地域もある。しかし、家屋解体も進み、仮置き場への搬入がほぼ終わった自治体も多い。街づくりを同時に進めることはできるはずです。
 そもそも、がれき処理が遅れているのは、広域処理が進まないことが原因ではない。広域処理の予定量は全体の約2割にあたる401万トンに過ぎません。最大の原因は、被災地でのがれき処理の体制整備に時間がかかっていることでしょう。
 解決のためには、被災地で高性能なフィルターが付いた大型焼却施設の建設を増やすべきです。大きなお金が落ち、雇用も期待できます。発電装置を備えた焼却施設をつくれば、がれき処理を終えた後も、森林の間伐材を使った木質バイオマス発電として活用できます。安全対策を徹底し、復興につながるかたちで処理を進めるべきです。(聞き手・岩井建樹)


一方で政府もまともなことも言っている。最初からこちらが推進すべき本筋の話だ。
■朝日2012年3月13日 がれき積極利用 首相指示 閣僚会合 防潮林・高台整備など

 東日本大震災で発生したがれき処理を進めるため、野田政権は13日、第1回の関係閣僚会合を開いた。野田佳彦首相は「今までの発想を超えて大胆に活用してほしい」と要請。関東大震災のがれきで横浜市に山下公園を整備したエピソードを引き、将来の津波から住民を守る防潮林の盛り土や避難のための高台の整備、道路などの材料として、被災地のがれきを再利用していく考えを示した。
 細野豪志環境相は会合後、「鎮魂の気持ちとともにがれきを処理していく」と述べ、まず防潮林としてがれきを利用する準備に取りかかる方針を示した。環境省は、復興のシンボルとして三陸地方の自然公園を再編する「三陸復興国立公園」(仮称)の整傭にも活用する方針だ。
 このほか、セメントや製紙業など、焼却設傭を持つ民間企業にも協力を求める方針を確認。経済産業省はこの日、関係する業界団体に要請文書を送った。同省によると、汚泥をセメントの原料にしたり、木くずなどを製紙業のボイラー燃料にしたりして、2月20日現在、企業が約10万トンのがれきを処理したという。
 会合では、今週中にも全国の都道府県や政令指定都市に対し、がれき処理に協力を求める首相名の文書を出す方針を確認した。前向きな自治体に対しては、被災地の自治体名やがれきの種類、量などを明示し、具体的に受け入れを求める。
 被災3県で発生したがれき約2253万トンのうち、処理が終わったのは6・7%にすぎない。処分場の不足、放射能汚染の不安などから広域処理も進まず、本格的な受け入れが始まっているのは東京、山形、青森の3県だけだ。


■日刊ゲンダイ2012年3月22日 「絆」で瓦礫は処理できるのか 田中康夫 
 処理出来た瓦礫は僅か6%、と細野豪志氏。だから20%は国民全体で分かち合う「絆」を、と野田佳彦氏。その「大政翼賛」が完遂しても処理分量は全体の4分の一。政府が示すべきは残り74%を被災地で如何に処理するかの工程表。「広域処理」=無為無策な「政治主導」の失敗を目眩ますキャンペーン!
 小学生でも抱く"素朴な疑問"を僕は140字でツイートしました。
 他方、JR川崎駅前で環境省が開催した「みんなの力でがれき処理ブロジェクト」街頭イヴェントで細野氏は「このままでは2年で処理出来ない。1日でも早く瓦礫を無くしたい」と絶叫し、TVキャスターから神奈川県知事に転身した黒岩祐治氏も「瓦礫受け入れが日本の絆を世界に発信する」と唱和。劣化し続ける日本の政治と行政は、情念・情緒の世界に迷い込んでいます。
「(被災地以外の地域が)受け入れない理屈は通らない」と言う細野氏は、20%=400万トンの瓦礫を10トントラックで全国に運搬したなら40万台、の驚愕すべき現実を再認識すべき。にも拘らず、被災地が求める焼却場の建設を事実上、政府は却下し続けています。
 被災地の瓦礫処理は飽く迄も一時的な事業と政府は規定。事業終了時迄の仮設焼却場整備ならば相談に応じるが、常設焼却揚建設は域内の人口等設置要件を満たさねばならず、仮に設置後10年未満で財産処分の場合は交付金の国庫返還を求めているのです。が、この「規定」こそ、「三位一体改革」を掲げて小泉純一郎氏の時代に創設の「循環型社会形成推進交付金」なる"飴と鞭"がもたらした自家撞着の悪夢に他なりません。
 起債償還時の後年度交付税措置も含め、建設費用の7割を国庫負担する制度の下、24時問燃やし続けねば施設機能に支障を来す、身の丈を超えた巨大焼却施設が全国各地に林立しました。
 市町村、並びに複数自治体が「一部事務組合」を設置して運営する焼却施設は日本全国に1242。内879施設が全連続式、準連続式。一日動かすと電力需要が少ない深夜も稼働を止められない原発同様、「需給」に拘らず動かし続けねばならぬ全国各地の処理場は、燃やし続けるゴミの確保を切望しているのです。「瓦礫処理は日本人の国民性が試される」と野田佳彦氏は会見し、「(受け入れ自治体の)焼却場の減価償却費も更に国が支援」と細野氏が述べる、それが深意。「震災復興の闇」と僕が述べる所以です。(水曜掲載)

2012年3月19日 (月)

経済学習ノート 金本位制へ復帰?

小林正宏・中林伸一『通貨で読み解く世界経済』
「国際通貨制度の安定化のために金本位制に復帰すべきといった意見もある。金本位制に戻す場合の問題点は多々ある。仮に戻して「為替の安定」を追求した場合にも、前述のトリレンマのうち、「資金の自由な移動」と「国内金融政策の自由度確保」のいずれを放棄するのか、不透明である。
 また、アメリカは対外純債務国であり、その対外負債超過額は、2兆7378億ドルに上る。仮に金を1トロイオンス1100ドルで計算すると、これはほぼ8万トンに相当する。米財務省によれば、アメリカの外貨準備における金の保有量は2009年末時点で8134トンとなっている(日本の外貨準備に占める金の保有量は765トン、中国は1054トン、IMFは3005トンと公表している)。この巨額の金融負債を解消しない限り、ニクソン・ショック前と同様に金兌換請求が来ればアメリカは対応できない。
 金の現存量という物理的な制約からも金本位制への復帰は現実的ではない。ちなみに、アメリカの外貨準備高は2010年6月25日時点で1249.7億ドルとなっているが、これは金の簿価を1トロイオンス42.22ドルで換算しているためである。仮に時価で換算すれば、4000億ドル超になる。」

 人類が保有する金の総量、人類が今まで掘り出した金は、2009年末現在で16万5600トン。
2004年の産出量は2440トン。推定埋蔵量は7万トンで、現保有量の半分に満たない。
半分強が宝飾品、残りが工芸品と民間投資用、各国中央銀行の所有。
資産としての保有は公的、民間合わせても半分以下。
各国政府=中央銀行の保有は、世界全体で3万1423トン。
 1位   アメリカ   8136.2トン
      ドイツ    3000トン
       日本     765.2トン

 1トロイオンス=約31.1グラム。 ブレトン・ウッズ体制では1トロイオンス、35ドル。今は30倍の1200ドル
  2010年ころ、1グラム3800円。
 16万5000トンは620兆円にあたる。これは日本の家計の貯金1400兆円にも満たない。
 ましてや、世界の現在の金融資産総額1京6000兆円と比べれば、4%ぐらいにしかならない。
 金本位制へ回帰といっても、今更これほど膨れ上がったマネーの価値を支えることはできないだろう。 そもそも金の量的束縛を外したからこそ、マネーがこんなに膨張したのだから。

2012年3月18日 (日)

放射能汚染を考える フクシマの被曝をどうとらえるか 原田正純先生のコメントより 

朝日2011年5月25日
 長い間、水俣病問題にかかわってきた原田正純先生のインタビュー記事、「3.11水俣から」より

 放射能汚染とどうか向き合っていったらいいか、水俣病の歴史からくるまっとうな認識が示されている。日本は水俣の教訓を学ばなかっただけでなく、まったく同じ過ちを繰り返していることがわかる。

 -放射性物質の安全基準が問題になっています。どこで線を引き、住民にどう説明するべきでしょう。
 「注意してほしいのですが、安全基準とはあくまでも仮説に基づく暫定的な数値であって、絶対的なものではありません。そもそも『安全基準』という言葉がよくない。どこまでなら我慢できるか、『我慢基準』と呼ぶべきだという人もいます」
-それでは安心できません。
「そう。それはものすごく気になっている。住民にしてみたら、自分たちは安全なのかそうでないのか。なぜ避難しなければいけないのか。なぜまだ戻れないのか。その根拠は何なのよ。そういう疑問はまったく当然です」
「テレビの報道でも『政府は根拠を示せ』と言っているでしょ。ところが、実際には絶対的な根拠なんてない。それなのに(政治もメディアも)あるはずだと決めてかかるからおかしなことになる
「ただし、根拠を示せないからといって政府が口をつぐんだらだめ。『現時点では十分な科学的根拠はありません。でも今後こういう危険が考えられるので、政治的な判断で実施します』ということを、ていねいにていねいに説明することです。もちろん住民の不安をあおったらいけないけれど、放尉線の影響には未知の部分があることもしっかり押さえておかないといけない」

 取り組むべき課題について、3点あげている。
・被害を受けた住民全体の健康調査を行い、長期にわたって管理し、体に何か起きたときはすぐに対応するという体勢が必要。
・賠償基準の協議に被害住民を入れる。
・枠組みを最初にすべて決めてしまわないこと。期限も決めてしまわないこと。
 この3点、現段階でも、とても実現できているとは思えないが、市民が絶えず突き上げていき、少しでも施策に反映させていくことが必要だろう。将来の私たちの社会がどんなものになるかも、それにかかっているとさえ言える。

2012年3月10日 (土)

医療学習ノート 長生きしたければ病院には行くな

週刊現代2012.3.17号「長生きしたければ病院には行くな」より
岡田正彦・新潟大学教授 松本光正・関東医療クリニック院長 二人の対談

・健康診断は受けなくていい
・がん検診もX線検査も不要
・検診より予防を

 高血圧の人たちを、降圧剤を飲むグループと飲まないグループに分けて、結果を見たらどうなったか。過去20年、様々な降圧剤について調査されたが、どの場合でも長期的な寿命に差が出なかった。
 脳卒中の中で、高血圧に関係する脳出血の割合は1割強だけ。高血圧に関係のない脳梗塞が8割を占める。降圧剤によって脳梗塞が起きやすくなる。
 人間には生きていくために、体を一番いい状態に保とうとする機能がある。血圧が高くなっているのにも理由がある。それを姑息に下げてしまっていいのか。
認知症に罹った人を調べた場合、血圧が高い人の方がその症状が軽くて済む。

 医者はどんな種類のがんでもとにかく早急に取り除こうとする。
 しかし、1ミリのがんの中には100万個の細胞があって、医者が見つけられる大きさになっているときには、悪性のがんなら移転してしまっていることが多い。手術しても無駄。
 現在の医学ではどういう種類のがんなのかが判断てきない。その結果、本当はする必要もないがん手術がたくさん行われている。
 良性と悪性の間に無数の段階があるのに、それを二つのタイプしか分けられていない。
 がんの除去手術をしたあとで5年、10年と元気な場合、最初から転移するようながんではなかった。それを「がんもどき」と呼んでいる。
 末期がんの人が手術を受けて、その後さらに抗がん治療をやり、苦しみながら死んでいく。
 がんをほうっておいても、治療もしないまま長く生きている人もたくさんいる。
 「がんは早期発見・早期治療が大切」とみんな思いこんでいるが、大いに疑問。
 がん検診を受けた人と受けない人の追跡調査をしても、両者の寿命に差がない。

 病院に行くエネルギーを、病気の予防のために使うべき。適切な予防をすると寿命が10~30%延びる。たばこをやめる、野菜や果物を多く取る、軽い運動をする。ランニングや散歩は効果ない。スロージョギングのような脈拍数が少し上がるくらいの軽い運動を1日に30分、週に3日以上やる。
 実感として、真面目に健康診断を受けてきた人が長生きしているとは、とても思えない。ヨーロッパで、毎年健康診断を受けたグループと、うけさせないグループを追跡調査した。両者の寿命は差がなかった。
 健康診断の検査項目が多すぎる。必要なのは体重測定と血糖値くらい。メタボ検診の基準値が低すぎる。そのことで要精密検査に回される人が増え、病院は治療費で儲かる。
 健康診断で異常が見つかり助かったという人もいるかもしれないが、一方で、病院で余計な治療や薬を施されたばかりに寿命を縮めてしまったという人も同じくらいいるのではないか。真面目に健康診断を受けている人に何らかのマイナス作用がある。基準値を緩和して、「患者」をなるべく減らした方が、日本人全体の寿命は延びる。
 長生きしたければ病院には行かないほうがいい。
 健康診断を受けること自体心理的ストレスになる。
 日本人の寿命を延ばしたければ、放射線検査を直ちにやめるべき。

岡田医師の結語
 過剰検診・過剰医療には様々なマイナスがある。医療の過程をトータルで考えれば、プラスマイナス同じくらいか、逆にマイナスのほうが上回っている。

松本医師の結語
 日頃からの予防を軽視して、医者に病気を早く発見してもらおうという人々の気持ちと、早期に治療を施せば患者は長生きする、と信じて疑わない医者の気持ちが、結果として長生き・健康を妨げる方向に働いている。
 病院は、「日常生活の結果」を判断する機関にすぎないので、それに自分の命を預ける必要はない。

経済学習ノート 外国人が日本国債を買っても対外純負債は増えない

三橋貴明『経済ニュースが10倍よくわかる日本経済のカラクリ』より
「日本の国債は国内でまかなわれているから大丈夫」という主張に対する、「国内だけでは調達できなくなり、外国からのお金が必要になったら、日本経済は破綻する」という反論に対する再反論。

・そもそも国家が心配しなければならない「国の借金」とは、対外負債。外国から借りたお金こそが本当の「国の借金」なのである。
・あるアメリカ人が日本国債を買ったとする。
日本国債は円でしか売っていない。
そのアメリカ人は為替市場で米ドルを円に両替しなければならない。
そのことは、一方でだれか日本人がその分の日本円を米ドルに換えていることにほかならない。
為替市場とは「通貨の交換」のことだから。
円を売ってくれる人がいない限り、米ドルと円は交換できない。
日本の対外債務が増加する(アメリカの対外資産の増加)、その半面で、日本人が米ドルを買ったのだから、日本の対外資産も増加しているので、プラスマイナスゼロとなる。
日本国は日本国債を買ったアメリカ人に金利を払う。 一方、この反対側では、米ドルを手に入れた日本人もその米ドルを何かで運用する。米国債を買ったとしたら、その金利が支払われる。米国債より日本国債の方が低金利なので、日本人に支払われる利子の方が大きい。
三橋の結論:日本が経常収支の黒字国である以上、外国人が日本国債を買っても対外純負債は増えない。

「両替」「為替」という魔術。米ドルは日本国内では使えないし、円は国外では使えないというのがみそ。
しかし、この理屈はどこかに落とし穴がないか?
例えば、日本国が国債を米ドルで売り出したとする。日本国は手に入れたドルを日本国内で使うには、円に両替しなければならない。とすると、上で起きたことと同じことがいえるのか。

■「外国人が日本国債を投げ売りしはじたら、日本は破綻する」への反論
上念司『日本は破産しない!』より  

 ある日突然、外国人がほんの国債残高が900兆円もあることに改めて気が付いて不安になり、「これはヤバイ」と投げ売りをはじたと仮定する。この投げ売りと連鎖して、日本国債を保有する外国人全員が投げ売り状態になる。現在45兆円が外国人の持ち分。この売却により外国人は45兆円の現金を手に入れる。そのまま持っていてもしょうがないので、外国為替市場でドルやユーロなどの自分の国の通貨と交換する。円を売って外貨を買う為替取引が行われる。45兆円の円売りが行われるので、円はどんどん安くなる。
 為替が一気に円安になれば、輸出産業にとっては逆風が一気に追い風に変わる。海外での売り上げが、何もしなくても円建てとしては増加する。そして、国際競争力も一気に回復する。農業や衣料品のような海外企業と競合する国内産業は、円安によって海外からの輸入品の値段が上がることで、国内市場での競争力を増す。

・円安というのは、輸出産業にとって、ひたすら望んでいた状態。 「めでたく」円安になった結果、日本のデフレも終わり、財政改善もその緒につける。外国人が国債を投げ売りしたら、それこそ「日本の経済は」復活する。 こういう理屈も成り立つわけだ。

2012年2月16日 (木)

医療学習ノート 『9割の病気は自分で治せる』

岡本裕『9割の病気は自分で治せる あなたも私もおいしい患者?』中経の文庫、2009年1月

医療に対する個人としての対応と、医療の社会的問題の解決策と両者が展望できる。なかなか示唆に富んだ本だ。社会資本共通資本としての医療の無駄遣いをなくし、本来必要なところに集中する。「患者」としても、自己治癒力を高めて、医療から解放された方がいい。

病気には3つのカテゴリーがある。
・カテゴリー1 医者がかかわってもかかわらなくても治癒する病気
・カテゴリー2 医者がかかわることによってはじめて治癒にいたる病気。言い換えると、医者がいないと治癒に至らない病気
・カテゴリー3 医者がかかわってもかかわらなくても治癒に至らない病気
日常で診療する疾病のうち、カテゴリー1が少なくとも70%以上、多ければ90%以上(これが本の題名の由来)。著者の体験では95%以上もいて、カテゴリー2の患者が追いやられている。

カテゴリー1=喜劇の病気
感冒(風邪)、高血圧、高脂血症、糖尿病、肥満症、痛風、心身症、便秘症、頭痛、腰痛症、不眠症、うつ、肩こり、ぜん息、アトピー、自律神経失調症 総称して「喜劇の病気」悲劇のヒロインの病気には絶対になりえない。
「おいしい患者」。医者がいなくても治る人は治っていた患者。手間はかからず、薬を飲み続け、診療にも繰り返し来てくれる。
ずっと医者にかかり続けなくても治る、あるいは医者にかかる必要もない、そんなカテゴリー1の方が、数多く病院に押しかけ、おいしい患者になっている。
喜劇の病気は、原則として自らの力で治すことができるし、医者の力が必要な場合でも、ほんのわずかなアドバイスで事足りる。
おいしい患者は少なくとも3000万人、あるいは4,5千万人に上るかもしれない。
慢性疾患。黙って薬を飲み続け、検査を受け続けてくれる。確実に儲けが見込める。 「命にかかわらない」かつ「完治しない」
これが増えすぎて、本来医者が相手にすべきカテゴリー2の患者がわきに追いやられている。
患者が自ら強くなって意味のない通院をやめることは、長期的に見れば、薬と検査漬けのマニュアル化された医療の現状を是正することになる。

日本の医療の現状
勤務医が1日に外来で診る患者数は50~60人。米国の5倍。
日本の医者一人が年間に診察する患者数は8500人。OECD平均は2421人。日本はその3.5倍。外来患者一人当たり診察料、日本は7000円、米国は62000円、スウェーデン89000円。
日本の医者は多忙、薄利多売。薄利多売なので多くの患者を診るしかない。
技術料が低い。薬価で補うため、日本が世界で一番の薬消費国に。
医者はやりがいを失い、割り切るようになる。
今のシステムでは、カテゴリー1の患者をどれだけ確保できるかが医療機関の経営安定の最優先事項。
メタボは、「おいしい患者」を創る仕組み。

カテゴリー2の疾患こそ、医者の本領を発揮できる領域。
しかし、医者にかからなくていい人をかからなくていいと断定することも大切な仕事。トリアージ=振り分ける

命にかかわる患者と向き合うことは、精神的な負担も大きく、時間も費やし、手間もかかり、金銭的に報われない。
医者が「命を救う仕事」を避けるようになる。
脳神経外科、外科、小児科がなり手が少なく、形成外科、皮膚科、麻酔科を希望
仕事がきつく、しかも生命に直接かかわる診療科への希望が減っている。
報われなければラクな方を選ぶ。
産婦人科、小児科 緊急業務も多く、訴訟リスクもひじょうに高い。過労死、医療裁判
勤務医で疲れ果て、やめて内科などで開業するようになる。
皮膚科、形成外科、精神科は、緊急性もなく、比較的自由に時間を使うことができる。
命にかかわる疾患と向き合う医者が、もう少し快適に、第一線に長くいられるような環境を整えなければいけない。 

カテゴリー2の病気 
医者がかかわらなければ治癒に至らない。自己治癒力を高める術を十分熟知していて、なおかつ自分でおこなうことが可能な状態がカテゴリー1。知識の有無にかかわらず、自身でなかなか対処できないものがカテゴリー2。
緊急措置が必要なもの、特殊な技能を要するもの、そして広範囲な知識を要するもの、さらに総合的な知識が必要なもの。医者という専門家の介在がどうしても必要な疾患(病態)。
災害外傷、脳出血、脳梗塞、くも膜下出血、狭心症、心筋梗塞、大動脈瘤、伝染病、急性薬物中毒、がん。
医者と患者が密にコミュニーションを取りながら、信頼関係を築き、患者に個々に合った治療方法を探りながら、治癒を目指していく必要がある。

カテゴリー3の病気
がんの一部、神経変性疾患、神経機能障害など
治癒が不可能な疾患を、治癒を可能にするというのも医者冥利に尽きる。
基礎医学は、カテゴリー3の患者をカテゴリー2に引き戻す重要な分野。もっとも莫大な資金とエネルギーを投資するに値する。成り手が少ない。

今のシステムのままの医療費削減は誤り
医療費のGDPに占める割合比較では、今の日本は、他の先進国と比較して医療費の対GDP比は低い。医者の数が少ない。医療費も低く抑えられている。
しかも医療技術の進歩で、いままでやらなかった検査や治療をどんどんやるようになり、医療費が高騰する。
並行して患者が作為的にどんどん作られる。

「おいしい患者」の弊害
・ほんらい医者にかかってもかからなくても治りうる人たちだから、医療費を使った分だけ無駄遣いをしたことになる。そのような患者が診療時間の多くを占めて、本来治してあげなければいけない患者たちの治癒を妨げている。
・医者の多くをやりがい派から割り切り派へと変えてしまう。

「喜劇の病気」は自己治癒力に任せればいい。 喜劇の病気に対して医療費が無駄遣いされているために、本当に必要な医療費がひっ迫している。社会共通資本の無駄遣い。

カテゴリー2をカテゴリー1に、カテゴリー3をカテゴリー2に、ひいてはカテゴリー1にしたい。それにはお金、時間、手間が必要。がんの3大治療は単なる時間稼ぎの手段。患者の自己治癒力を高めるためには個人個人に即した細やかなさじ加減が必要。本当に治さなければいけない疾患を対象にした研究も効率化とは対極にある。
「おいしい患者」がいなくなれば、薄利多売の悪しきシステムも変わらざるをえなくなる。
「おいしい患者」がいなくなれば、現在の医療費33兆円の半分以上は不要になる。外来診察の人数を1日5人から多くてせいぜい10人で、十分採算がとれるようなシステムにする必要が出てくる。ゆっくり患者と向き合い、その人に合った自己治癒力を高める方法を一緒に考えていくことができるようになる。
カテゴリー2の患者をじっくり診るのが臨床医の仕事に、同様にカテゴリー3をカテゴリー2に変える研究も進む。

2012年2月15日 (水)

医療学習ノート 『患者よ がんと戦うな』

近藤誠『患者よ がんと戦うな』1995年 より
本の出版は1995年だが、1988年から主張していたという。

・健診・治療(手術・抗がん剤)が延命に繋がらない
・がん検診は意味がない。効果が証明されていない
・がん治療法の手術・抗がん剤は効果がない

がんには3つの種類がある  
治療可能ながん
治療不可能ながん
治療しなくても治るがん 大きくならない、移転しない  =がんもどき

検診
がん検診は社会全体で死を減らす効果がない。効果が証明されておらず、デメリットもある。
肺がん検診  効果がない
乳がん検診  効果がない   年齢により一部効果ある
大腸がん検診 効果がない   
胃がん検診  ほとんどピロリ菌が原因

検診-レントゲン検査により、日本で年1万人ががん死する。CTSでも被曝。 医療被曝は世界一

「定期検診-早期発見-早期治療-完治」というストーリーができあがっているが、検診-早期発見-早期治療には死を減らす効果はない。
治療法のうち手術と抗がん剤は害が大きい
検診-予防
社会的コスト、デメリットを伴う。社会全体で行うのには効果の科学的証明が必要。
それより他にやるべきことがある。検診に使う金は福祉へ回した方がいい。
検診機器メーカーの儲けになるだけ。

がん治療  
・手術 効果ない。害の方が大きい  
・抗がん剤 効果ない。害の方が大きい  
・放射線治療 一定効果ある。  近藤の専門は放射線。我田引水か。
日本は手術と抗がん剤が主流=化学物質使用と物理的除去。手術が自己目的化。

・手術 麻酔技術+手術で切除
ほっておいても治るか、手術しても死ぬか。
効果ない。むしろ患者の生がまっとうすることを妨げる。
放置して、痛みを抑える緩和治療をする方が生の質を維持できる。
ほんとのがんは切っても治らない 手術は有害無益
早期発見-切除-完治というがんは、ほっておいても治った(悪化しない)

・抗がん剤
薬代全体で年間7兆円。そのうち9割は無駄。5~6兆円は減らせる。
抗がん剤は2000億円程度。
抗がん剤はがんの1割にしか効果がなく、ほかのがんには有害なだけ。高価だが効果はない。
効果あるのは子供のがん、急性白血病のみ。
胃がん、大腸がん、肝臓がん、食道がんには効果がない。
副作用が強い。効果と副作用との天秤。

まとめ
・「重いがんでも戦わなくても治る」ということをいっているのではなく、ほっておいても治るものと、早く見つけても治らないものがある。だから無意味な検診・治療はするなということ。
・がん治療すべてに反対しているわけではなく、過剰な手術、抗がん剤治療に反対している。
・個別の結果ではなく、社会全体での効果の話。個々にやりたければ否定するものではない。

2012年2月14日 (火)

経済学習ノート 財政赤字で日本は破綻する?

エコノミストの大半は、日本政府は財政破綻するという説をとなえている。日本政府は財政破綻することはないというエコノミストは、ごくわずかだ。そのうちの3人の説をとりあげる。その主張の柱は、
・負債総額ではなく、純債務で見るべきだ
・債権者は国民なので、「子孫に借金を残す」ということにはならない。相殺すればチャラ。一人当たりいくらの借金というのは無意味。
・負債の反対側には同額の資産がある。日本全体では相殺されてゼロ。国全体で見るべきで、個別部門の負債だけを取り上げるのは誤り。

■三橋貴明  
日本銀行による「日本経済のバランスシート(貸借対照表)」の政府の部分から数字を出している。
・2009年12月末  
政府の負債   993.7兆円
政府の資産   467.2兆円
政府の純債務  526.5兆円
このバランスシートは、金融資産のみの統計で、土地建物などの有形固定資産は含まれていない。政府資産467.2兆円は、アメリカの2倍近く、世界最大の金融資産をもつ。
・日本国家のバランスシートの資産合計は5531.2兆円、負債合計は5268.0兆円、差し引き純資産合計は263.2兆円。これはほぼ日本の対外純資産(258.3兆円)となる。この金額は世界一、つまり日本は世界一の金持ち国であということになる。
・日本国全体の金融資産5883兆円、非金融資産2536兆円、合計の総資産は8419兆円になる。金融負債5633兆円を引いた2788兆円が日本の国富となる。

■高橋洋一 
・2006年 
債務            834兆円
政府の金融資産(2005年末)  538兆円
(ちなみに有形固定資産178.1兆円で、資産合計703.8兆円)
・2006年度国の財務書類(一般会計・特別会計)決算
資産   703.8兆円 
負債合計 981.2兆円 
純債務  277.3兆円

・日本ほど政府が多額の資産をもっている国はない
政府資産残高の対GDP比   
日本150%  アメリカ15%  イギリス30%  イタリア70%

2008年度政府のバランスシート(2009.3末)
資産        664.8兆円
負債        982.2兆円
資産・負債差額  △317.4兆円
負債982.2兆円は対GDP200%で世界一
資産は固定資産200兆円、貸付金・出資金200兆円、有価証券300兆円。
有価証券の主なものは、外国為替130兆円のうちの100兆円と年金140兆円のうちの130兆円。
固定資産も、建物は証券化により換金はむずかしくない。
年金も、巨額の責任準備金の一部に過ぎない。
貸付金・出資金は、特殊法人に対するもので、整理すればいい。

■上念司
・2010年6月末
国の債務残高   904兆円
政府の純債務   300兆円
・2009年6月末現在 政府の金融資産475兆円 
2009年11月の債務864.5兆円
純債務 387兆円 

・政府の貸借対照表(特別会計も含む、2008年度、高橋と同じデータ)
負債  982.2兆円
資産  664.8兆円 有形固定資産含む
資産・負債差額 317.4兆円
金融資産は315兆円あるが、特殊法人向けの投資なので、特殊法人を全廃すると資産、負債両方から315兆円が消える。差額は小さくならないが、負債総額は大幅減する。

■高橋洋一の追加
埋蔵金の指摘で有名。ちなみに、「国の埋蔵金」という言葉を言い出したのは高橋と対立していた財政規律派の与謝野馨(正確に言うと財政改革研究会=与謝野馨研究会)で、この言葉を使ったことにより、国に余っている金がたくさんあることに注目が集まるという意図せざる結果になったという。
埋蔵金とは、特別会計の中の「積立金・余剰金・準備金」のこと。
特別会計の「資産負債差額」のこと。特別会計ごとのバランスシートで、資産と負債について資産が負債を上回るとき、その差額のことをいう。純粋に会計的な事柄で自明、あるとかないとかいう議論の対象ではない。
高橋は2011年11月には『財務省が隠す650兆円の国民資産』という本を出していて、政府がすぐに使える金が300兆円あるという説を展開している。

■三橋貴明の追加
はっきり定義されないまま「財政破綻」という言葉が独り歩きしている。「政府の借金が増えること」がそうであるなら、今や世界中の先進国が財政破綻していることになる、という。財政赤字を積み上げているのは日本だけではない。
『高校生でもわかる日本経済のすごさ!』(三橋貴明著、廣宮孝信監修、2009)より
・日本政府の借金は、世界各国と比較してそれほど突出して増えているわけではない
・日本政府の借金の債権者は、実は日本国民(実際には6・4%ほど外国人債権者も存在する)
・日本政府は借金総額も大きいが、資産も巨額。アメリカ政府の二倍近い金融資産を保有している
・日本国家の純資産額は世界最大で、国家としては世界一の金持ち国家
・「日本政府の借金の債権者は、実は日本国民」
・[政府の借金について、税金で返済している国は世界に一つもない」
・「政府は自国通貨建ての借金について、永久に繰り延べしても構わない」
・「日本政府は世界で最も安い金利で国債を発行できる」
・「四番目のキャッシュフローを持つ政府が、債務不履行になることは不可能」
四番目のキャッシュフロー=中央銀行による国債の買取。日本銀行が通貨を発行し、金融市場から日本国債を買い取ること。日本政府は国債の償還義務から解放される。「買いオペ」

・「日本政府の借金は、そもそも日本国民の債務ではなく、国民はむしろ債権者」
・「世界中に、政府の借金が増えていない国は一つもなく、どの国も普通にロールオーバー(繰り延べ)を繰り返している。
・「世界に自国通貨建ての政府の借金返済を目的に、増税した国は1つもない」
・「中央銀行による長期国債買収という『四番目のキャッシュフロー』を持っている中央政府が自国通貨建て借金の債務不履行になることは、論理的に不可能」

2012年2月13日 (月)

医療学習ノート 岡本正彦医師によるがん検診の評価

がん検診は延命に関係(寿命を延ばす効果)があるかどうか  → すべて延命効果は確認されていない
肺がん 効果は確認されていない。むしろ逆の調査がある。
胃がん 効果は確認されていない。 
乳がん 効果は確認されていない。
大腸がん 効果は確認されていない。
子宮がん 効果は確認されていない。 
すべて、効果を確認されるような調査が行われていない → 延命効果は科学的に確認されていない

※「がん発見後の治療の効果」があったかどうかではなく、その後の延命効果に焦点を当てている。
※個々の患者が検診を受けた方がよかったのか悪かったのか、治療を受けた方がよかったのか悪かったかは、一回性なので比較調査はやりようがない。個々の患者にとってではなく、社会全体でやる意味がないということ。
※「がん」と「がん検診」のことに限ったことで、他の病気はまた別の話。

肺がん
むしろ逆効果という調査が、チェコやアメリカにはある。
日本の調査は恣意的で、「後ろ向きな調査」
肺がん検診は欧米では行われていない。
レントゲン使用による逆効果の疑い

胃がん
東アジア特有で、塩分摂りすぎかピロリ菌が原因。日本でも減っているので、欧米に近くなる。
欧米ではほとんどないので、欧米では健診は行われていない。
レントゲン使用による逆効果の疑い。

乳がん
有効という調査の大半は信頼度低いもの
レントゲン被曝量は少ない。危険は少ないが、誤診による無意味な治療(手術、放射線、抗がん剤)によるリスクがある。

大腸がん
レントゲンは使用しないので、そのリスクはない。しかし、要精密検査となると、レントゲン撮影がされる。

子宮がん
子宮頸がんが主流
その原因はウイルスなので、検診より感染しない対策を

まとめると、
・効果は証明されていない。
・検診時のレントゲンによるリスクがある。
・誤診による無意味な治療(手術、放射線、抗がん剤)のリスクがある
・知らないで治っている(悪くならない)のが一番「健康」
・無意味な心配による心理的なストレスも大きい。

以下でもう少し詳しく説明する

肺がん検診
・チェコやアメリカでの調査結果では、検診を受けた方のグループが、肺がんになった人も、それで死亡した人の数も多かった。さらに肺がん以外の病気で死亡する人も増えた。
・日本の調査
肺がん検診を受けた方が、肺がんによる死亡率が半分になった、という結論は、肺がんで死亡した人たちは前年に検診を受けていない割合が多かった、ということから。
しかし、2年前、3年前の受診率を比較すると差がなかった。
あらかじめ決めてあった結論に辻褄を合わせるように仕組まれた。
互いに無関係な二つの集団のデータを寄せ集めただけ。
結論が操作されてしまう「後ろ向きな調査」であった。
・米、英、独、加、蘭、フィンランドでは肺がん検診は実施されていない。

胃がん検診
・胃がんは日本、韓国、中国など東アジアに多い「アジアの風土病」で、原因は塩分の摂りすぎ。日本では胃がん死亡割合減少。塩分摂取量低下。やがてほとんどなくなる。
・検診の効果はあるかどうかの調査は行われていない。
厚労省の後ろ向き調査が一つあるだけで、それはグループの分け方に偏りがある。
・欧米ではほとんどないために、無論調査データもない。
・胃がん検診と、レントゲン検診は日本で発明されたもの。
・肺がん、胃がんともにレントゲン検査が中心で、被曝による放射性障害の影響大。
英国の研究チームの調査では、世界中で一番レントゲン検査が行われているのは日本で、日本人のがん死亡率の3.2%がレントゲン検査によるもの。 日本のレントゲン被曝のデータはないので、被曝量はさらに大きい可能性。

乳がん検診
・マンモグラフィはレントゲン検査。
・有効であるとの調査の大半は信頼度低いもの。まともな二つは「乳がん検診で寿命は延びない」という結論。
・トータルな被曝量は少ないので、効果がないかわりに、寿命を短くするほどではない。
危険と言うほどではないが、受ける意味がなく、弊害もないが、誤診により受けなくてよかった治療(手術、放射線、抗がん剤)を受けるリスクがある。

大腸がん検診
・レントゲン検査はない。ただし要再検査で精密検査を受けると、レントゲンを大量に被曝する。
・延命効果は証明されていない。

子宮がん検診
・子宮がんの中で、子宮体がんは50歳以上で、数は少ない。子宮頸がんが圧倒的に多く、これが検診の対象となる。
・延命効果は証明されていない。
・原因はウイルスなので、検診より感染しない対策が必要。
・レントゲン検査はない。

■がん検診の本質的な問題
・悪性で早期に発見しても助からないタイプ → 結局助からない
・いつまでたっても大きくならないタイプ → 知らないでほっておくのと効果は変わらない
    →ともに検診・発見・治療する意味がない
むしろ「がんになっても検査や治療を受けない方が長生きする」という研究論文もある。 無意味な治療による肉体ダメージや、心配によるストレスが原因か。

「検診-早期発見-全快」という図式が確立しているために、「あっても問題ないものを手術で取ったケース」は検診・早期発見で助かったケースとされる。
「検診で発見されたが、治療しても治らなかったケース」は、発見が遅れて手遅れで助からなかったケースとされる。
「治った人=早期発見の効果」「治らなかった人=手遅れ」という恣意的な取り上げ方をされ、「検診効果」がねつ造される。

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