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2012年2月14日 (火)

経済学習ノート 財政赤字で日本は破綻する?

エコノミストの大半は、日本政府は財政破綻するという説をとなえている。日本政府は財政破綻することはないというエコノミストは、ごくわずかだ。そのうちの3人の説をとりあげる。その主張の柱は、
・負債総額ではなく、純債務で見るべきだ
・債権者は国民なので、「子孫に借金を残す」ということにはならない。相殺すればチャラ。一人当たりいくらの借金というのは無意味。
・負債の反対側には同額の資産がある。日本全体では相殺されてゼロ。国全体で見るべきで、個別部門の負債だけを取り上げるのは誤り。

■三橋貴明  
日本銀行による「日本経済のバランスシート(貸借対照表)」の政府の部分から数字を出している。
・2009年12月末  
政府の負債   993.7兆円
政府の資産   467.2兆円
政府の純債務  526.5兆円
このバランスシートは、金融資産のみの統計で、土地建物などの有形固定資産は含まれていない。政府資産467.2兆円は、アメリカの2倍近く、世界最大の金融資産をもつ。
・日本国家のバランスシートの資産合計は5531.2兆円、負債合計は5268.0兆円、差し引き純資産合計は263.2兆円。これはほぼ日本の対外純資産(258.3兆円)となる。この金額は世界一、つまり日本は世界一の金持ち国であということになる。
・日本国全体の金融資産5883兆円、非金融資産2536兆円、合計の総資産は8419兆円になる。金融負債5633兆円を引いた2788兆円が日本の国富となる。

■高橋洋一 
・2006年 
債務            834兆円
政府の金融資産(2005年末)  538兆円
(ちなみに有形固定資産178.1兆円で、資産合計703.8兆円)
・2006年度国の財務書類(一般会計・特別会計)決算
資産   703.8兆円 
負債合計 981.2兆円 
純債務  277.3兆円

・日本ほど政府が多額の資産をもっている国はない
政府資産残高の対GDP比   
日本150%  アメリカ15%  イギリス30%  イタリア70%

2008年度政府のバランスシート(2009.3末)
資産        664.8兆円
負債        982.2兆円
資産・負債差額  △317.4兆円
負債982.2兆円は対GDP200%で世界一
資産は固定資産200兆円、貸付金・出資金200兆円、有価証券300兆円。
有価証券の主なものは、外国為替130兆円のうちの100兆円と年金140兆円のうちの130兆円。
固定資産も、建物は証券化により換金はむずかしくない。
年金も、巨額の責任準備金の一部に過ぎない。
貸付金・出資金は、特殊法人に対するもので、整理すればいい。

■上念司
・2010年6月末
国の債務残高   904兆円
政府の純債務   300兆円
・2009年6月末現在 政府の金融資産475兆円 
2009年11月の債務864.5兆円
純債務 387兆円 

・政府の貸借対照表(特別会計も含む、2008年度、高橋と同じデータ)
負債  982.2兆円
資産  664.8兆円 有形固定資産含む
資産・負債差額 317.4兆円
金融資産は315兆円あるが、特殊法人向けの投資なので、特殊法人を全廃すると資産、負債両方から315兆円が消える。差額は小さくならないが、負債総額は大幅減する。

■高橋洋一の追加
埋蔵金の指摘で有名。ちなみに、「国の埋蔵金」という言葉を言い出したのは高橋と対立していた財政規律派の与謝野馨(正確に言うと財政改革研究会=与謝野馨研究会)で、この言葉を使ったことにより、国に余っている金がたくさんあることに注目が集まるという意図せざる結果になったという。
埋蔵金とは、特別会計の中の「積立金・余剰金・準備金」のこと。
特別会計の「資産負債差額」のこと。特別会計ごとのバランスシートで、資産と負債について資産が負債を上回るとき、その差額のことをいう。純粋に会計的な事柄で自明、あるとかないとかいう議論の対象ではない。
高橋は2011年11月には『財務省が隠す650兆円の国民資産』という本を出していて、政府がすぐに使える金が300兆円あるという説を展開している。

■三橋貴明の追加
はっきり定義されないまま「財政破綻」という言葉が独り歩きしている。「政府の借金が増えること」がそうであるなら、今や世界中の先進国が財政破綻していることになる、という。財政赤字を積み上げているのは日本だけではない。
『高校生でもわかる日本経済のすごさ!』(三橋貴明著、廣宮孝信監修、2009)より
・日本政府の借金は、世界各国と比較してそれほど突出して増えているわけではない
・日本政府の借金の債権者は、実は日本国民(実際には6・4%ほど外国人債権者も存在する)
・日本政府は借金総額も大きいが、資産も巨額。アメリカ政府の二倍近い金融資産を保有している
・日本国家の純資産額は世界最大で、国家としては世界一の金持ち国家
・「日本政府の借金の債権者は、実は日本国民」
・[政府の借金について、税金で返済している国は世界に一つもない」
・「政府は自国通貨建ての借金について、永久に繰り延べしても構わない」
・「日本政府は世界で最も安い金利で国債を発行できる」
・「四番目のキャッシュフローを持つ政府が、債務不履行になることは不可能」
四番目のキャッシュフロー=中央銀行による国債の買取。日本銀行が通貨を発行し、金融市場から日本国債を買い取ること。日本政府は国債の償還義務から解放される。「買いオペ」

・「日本政府の借金は、そもそも日本国民の債務ではなく、国民はむしろ債権者」
・「世界中に、政府の借金が増えていない国は一つもなく、どの国も普通にロールオーバー(繰り延べ)を繰り返している。
・「世界に自国通貨建ての政府の借金返済を目的に、増税した国は1つもない」
・「中央銀行による長期国債買収という『四番目のキャッシュフロー』を持っている中央政府が自国通貨建て借金の債務不履行になることは、論理的に不可能」

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