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2012年3月19日 (月)

経済学習ノート 金本位制へ復帰?

小林正宏・中林伸一『通貨で読み解く世界経済』
「国際通貨制度の安定化のために金本位制に復帰すべきといった意見もある。金本位制に戻す場合の問題点は多々ある。仮に戻して「為替の安定」を追求した場合にも、前述のトリレンマのうち、「資金の自由な移動」と「国内金融政策の自由度確保」のいずれを放棄するのか、不透明である。
 また、アメリカは対外純債務国であり、その対外負債超過額は、2兆7378億ドルに上る。仮に金を1トロイオンス1100ドルで計算すると、これはほぼ8万トンに相当する。米財務省によれば、アメリカの外貨準備における金の保有量は2009年末時点で8134トンとなっている(日本の外貨準備に占める金の保有量は765トン、中国は1054トン、IMFは3005トンと公表している)。この巨額の金融負債を解消しない限り、ニクソン・ショック前と同様に金兌換請求が来ればアメリカは対応できない。
 金の現存量という物理的な制約からも金本位制への復帰は現実的ではない。ちなみに、アメリカの外貨準備高は2010年6月25日時点で1249.7億ドルとなっているが、これは金の簿価を1トロイオンス42.22ドルで換算しているためである。仮に時価で換算すれば、4000億ドル超になる。」

 人類が保有する金の総量、人類が今まで掘り出した金は、2009年末現在で16万5600トン。
2004年の産出量は2440トン。推定埋蔵量は7万トンで、現保有量の半分に満たない。
半分強が宝飾品、残りが工芸品と民間投資用、各国中央銀行の所有。
資産としての保有は公的、民間合わせても半分以下。
各国政府=中央銀行の保有は、世界全体で3万1423トン。
 1位   アメリカ   8136.2トン
      ドイツ    3000トン
       日本     765.2トン

 1トロイオンス=約31.1グラム。 ブレトン・ウッズ体制では1トロイオンス、35ドル。今は30倍の1200ドル
  2010年ころ、1グラム3800円。
 16万5000トンは620兆円にあたる。これは日本の家計の貯金1400兆円にも満たない。
 ましてや、世界の現在の金融資産総額1京6000兆円と比べれば、4%ぐらいにしかならない。
 金本位制へ回帰といっても、今更これほど膨れ上がったマネーの価値を支えることはできないだろう。 そもそも金の量的束縛を外したからこそ、マネーがこんなに膨張したのだから。

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» 金融史がわかれば世界がわかる 4/6~ポンドからドルへ [投資一族のブログ]
世界の経済体制を支える金本位制にヒビが入り始めたのは1914年に始まる第一次世界大戦の前後である。戦争によって金の輸送が不可能となり、各国の金準備の貯蓄傾向がいっそう強まったことから、通貨と金との連結性が薄れがちになった。戦争当時、基軸通貨国の英国の金準備は意外に低水準で、フランスはその4倍、米国はその10倍以上の金を保有していたといわれている。大戦が終わってまず米国が1919年に金本位制に復帰し、英国はやや遅れて1925年に金本位制に戻ったが、その姿は大戦以前とはやや異なる様相を呈していた。戦争で... [続きを読む]

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